生ごみ削減と環境問題の関係

生ごみと環境問題アイキャッチ

さて、生ごみをどうしてゴミ袋に捨てずにせっせとコンポストなどと戯れているのだろうかと、疑問を感じる方はきっと少なくないことでしょう。

このページでは『環境問題』に焦点を当て、生ごみを削減するメリットをお伝えしようと思います。

目次

生ごみを捨てる問題

生ごみを捨てることに問題があるとするなら、それは圧倒的な『燃えにくさ』の問題。

水分をたっぷりと含む生ごみ、濡れているものを燃やそうとするのにどれほどの燃料が必要になるのか、考えただけでそれが膨大な量であることは容易に想像できるのではないでしょうか。

生ごみの水分量

生ごみはその約80〜90%が水分と言われています。いわば水を燃やしているようなもの。いかに燃えにくいかこの数字だけでもハッとさせられます。

そう、生ごみを燃えるごみとして捨てるのはとっても大きな『燃料増加』と『CO2排出量増加』問題があるのです。

ということは生ゴミを減らすことは大きくここにつながっていくこと。環境問題と実はかなり直結する問題だったりします。

生ごみ処理の現状

生ごみの写真

日本における生ごみ処理は、ほとんどの自治体で「燃えるごみ」として捨てられている現状。

そしてその生ごみが家庭ごみのどのくらいを占めるかというと実に30〜40%と言われています。燃えるごみとは名ばかり、その多くが「燃えにくいごみ」という内訳にちょっと驚いてしまいますよね。

さて、ここまではそうかそうかと終わってしまう方も多い方もいるかもしれませんが、この問題には目を瞑れません。生ごみ処理にも「お金」が発生しています。

燃料を使えば使うほど、トラックでゴミを運べば運ぶほどに、そのごみの処理は2021年度のごみ(一般廃棄物)の処理費を「2兆1,499億円」と発表されている(環境省)。

さらにこの2兆円を超える費用のうち、40%は食べ物由来ではないかと推察されているそうなのです。つまり生ごみ。2兆円のうちの40%を生ごみを燃やすために使っているだなんて、信じられない!と日々コンポストと向き合う筆者は思います。

このお金がどこから出ているのかって言ったらもうお分かりですよね。私たちのポケットからお国に収めている『税金』です。(国税庁のHPもごみの処分費に使われていることが明記されています。正確には国税と地方税が半々ほどで使われているところが多いかも)

生ごみ問題に関して無関心でも無関係ではいられない、というのはこのこと。

お金が絡むとちょっと興味を持っていただけたでしょうか。では世界ではどのように生ごみを処理しているのかちょっと覗いてみたいと思います。

世界の生ごみ処理現状

世界の生ごみ処理はどうなっているのか、現状を国別に簡単にまとめてみました。

韓国の生ごみ事情

韓国での生ごみ処理は国をあげて取り組まれており、家庭ごみは 1995年から従量制(有料化)を導入し、ごみ処理費用の約 70%を賄われています。(ごみのお金が処理の費用と直結!これすごいです)また段階的な値上げで効果をあげているという実績。

さらには2005年に「生ごみ直接埋立禁止法」の制定。ソウルでは 2006 年から 3 年連続 100%再活用が進んでいる。(半分は飼料、半分は堆肥!まさにコンポスト!)

詳しくはコチラ>

中国の生ごみ事情

中国といえばゴミの排出量も世界1位(2019年)生ごみ事情が気になるところですが、意外や意外、日本にはない分別が義務付けられていました。分別は以下の4種類。

  • 「リサイクル資源」(缶、瓶、衣類、プラスチックなど)
  • 「有害ごみ」(電池、蛍光灯など)
  • 「湿ったごみ(湿ごみ)」(生ごみなど)
  • 「乾いたごみ」(汚れた紙屑、おむつなど、その他のごみ)

なんと!湿ったゴミと乾いたゴミに分別が。中国らしいのが監視員・監視カメラの設置、捨てる際は部屋番号を入力などが必要で違反した個人には罰金が科せられるところ。実際に全土で機能しているかはさておき、焼却や埋め立て処分の対象から除いて資源化するという取り組みはもはや日本の生ごみ処理を超えるものがあります。

詳しくはこちら>

アメリカの生ごみ事情

さてこちらアメリカも気になるゴミの排出量は世界3位のアメリカは分別ができない、という問題を抱えているようです。

もちろん土地の広さも言わずもがな、アメリカは州によっての条例が大きく分別を左右するものになっているようです。

現在堆肥化が義務化されているのはカルフォルニア州・バーモント州・NY州などで住民、企業の双方で生ごみをゴミ箱に捨てることを禁じられているような現状。人体の堆肥化も合法となるなど先鋭的な条例も!

大量消費、ジャンキーなイメージの多い国ですが、環境問題を身近に捉える人口の増加も顕著なのかも?市民の活動が大きな影響力を持つ国でもあるので、今後の急速な展開に注目していきたいです。

こちらでまとめたのはほんの一例、環境への取り組みが進むヨーロッパなどはまたさらに進んだ対策など、各国の事例は本当に興味深いもの。それを見ると生ごみの分別ができていない日本はごみ処理後進国?とも思えてしまいます。

いずれもごみ処理における負担(金額、CO2の双方)を軽くするための施作として国を挙げて取り組む姿勢が見られました。お金の出どころを考えると日本での取り組みも本腰を入れて欲しい!と願ういます。

コンポストで変わること

コンポスト画像

生ごみ事情、いかがでしたでしょうか。ちょっと大きな目線で世界や国の取り組みを紹介しました。もちろん国や自治体で動いてもらえることは大きな影響力や環境負荷を減らすことができる取り組み。

ですが家庭でのコンポストで変わることは少なくありません。

なぜなら日本の家庭から出される30〜40%が生ごみだから。

まずは家庭で始められることから、これも大きな影響力に変わるはずです。

また生ごみコンポストは各自治体で導入の補助金がもらえるところも少なくありません。環境問題と直結する生ごみ問題、気になったらコンポストの積極的な導入をおすすめします。(当サイトでははじめ方のヒントが盛りだくさん!)

さて、気候変動など気になる環境問題とも関わる生ごみですが、私がコンポストをする理由は環境や税金といったメリットだけではありません。むしろ、それだけならとっくに続けてられなかったかもしれません。それは環境問題云々よりもコンポストがただただ楽しい、ということ。

コンポストをすることにもう理由など要らないほどに。

不快なだけだった生ごみがキッチンから消え、土に還り、そしてその土でまた野菜が育つ。虫や鳥、いのちの連鎖が訪れる。ただただ目の前の循環を肌で感じ、感動した時、難しい理由など吹っ飛んでしまうほど、コンポストライフが鮮やかに輝きだしました。

そんな新しい世界が待っているかも?

少しでも興味を持ってもらえたら、ぜひ小さな植木鉢に野菜のヘタを埋めることから始めてみてくださいね。

最後までお付き合いありがとうございます。この記事を書いたのはNICOでした。

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