コンポストをはじめてからコンポストの周りをじっくりと観察すると、実に色々なドラマが生まれていることに気が付きます。今回は我が家の小さな庭のいきものの物語。
この記事にはいろんな生き物の写真が出てきます。苦手な人はそっとページを閉じてくださいね。
土の中の微生物

さて、コンポストに入れた生ゴミがどうして消えて無くなるのかというと、『土の中の微生物がその生ごみを食べてくれているから』この一言につきます。
土の中の微生物というのはほんのスプーンいっぱいに無数の数ほどいる顕微鏡で覗かないとわからない、目には見えないほどの小さな生き物。細菌やカビ、酵母、原生動物、微細藻類が微生物と言われるような存在です。
微生物は目に見えずとても小さいので、もしコンポストに大きな生ごみを入れたり、多すぎる量の生ごみを入れるとどうなるか、というと、分解が間に合わず、虫が発生する、というシンプルな原理も存在。
もちろん虫が発生してしまう原因として土からの露出や毛細管現象による匂いの漏出、生ごみの種類なども、原因にあたるので、極力虫が来ないように対策することはできる、という前置きはお忘れなく。
虫が発生

さて、条件によって虫が発生してしまうコンポスト。
多いところでは、コバエが上がるのではないでしょうか。
我が家も過去に小さなコバエがコンポスト周りを飛び回るような図を度々目にしました。大抵の場合はそのまま投入をお休みしたり、分解が進むのを待てばいなくなるのですが、昨年の夏は何やらさらなる生き物を招いた模様が伺えました。これがとっても面白かったのでこうして記事を書くに至っています。
さて、コバエを求めて?新たに現れた生き物がいたようなのです。
虫のあとに出てきた生き物

現れた生き物は、小さなアマカエル。
コンポストの蓋を定位置に毎晩ご帰宅される様子。(帰省本能あるよね?って思っちゃうほどいつも同じ場所に同じカエル(多分笑)がいる気がしてる)
我が家は田んぼのすぐ傍というロケーションもあり、梅雨時期はアマガエルの賑わしい庭となります。夜は窓の光に小さな虫が集まると、それを食べるカエルもまた窓に張り付き、貴重な捕食シーンを見せてくれたり。(苦手な人には地獄絵図かもしれないけど笑)
そんなコンポスト周りにいるアマガエルもまた、夜の窓辺のように効率よく餌を獲れる場所を見つけた猛者なのかもしれません。
ちょっと余談、アマガエルが多いため、オオキベリアオゴミムシもたくさん見かけるのがまた厳しい循環。
そしてまたところ変わって別のコンポスト、こっちにも小さな捕食者『カナヘビ』がウロウロ。

プランタキエーロ風の波板が暖かく気持ちいいのか、美味しいご飯(コバエ)が近くにあるからなのか、時に蓋を開けた瞬間飛び出してきて、悲鳴を上げたこともありました。
なにやら小さな生き物がコンポスト周りを忙しなく駆け回っている初夏。カナヘビ達は随分と繁殖しているようで、子どもたちはカナヘビを捕えることを外遊びの一つとしてとても楽しんでいます。
さて、もう少し時を早送り、それは落葉樹の葉っぱが落ちる秋のこと。
視野を広げて立体的に庭を見つめると、また不思議なものが見えてきます。
小さくめぐる循環
初めて見つけた時は、誰かの嫌がらせ、または呪いの類じゃないかとギョッとしたものです。
百舌の早贄(モズのはやにえ)というものをご存知でしょうか。
それはなんとも恐ろしい、一言で説明するならば、カエルやカナヘビの串刺し!あっちこっちの木の枝にカエルだのカナヘビだののミイラを見つけるほどにたくさんあるのです。
はやにえは「供え物」という意味があるそうですが、要はモズ達があとで食べるためのご飯。 言ってみれば、冬の保存栄養食だそう。
モズってなんぞやという人のために動画を。
アマガエルもカナヘビもたくさんいる庭には、いつの間にか小さな猛禽類と言われるモズまで遊びにきていたようです。といってもモズは今までに一度も目撃したことがなく残念。
はやにえにはギョッとしてしまいますが、冬を生き延びる鳥の智慧。小さな鳥達にとっても食料豊富で居心地のいいお庭なのだと思うとなんだか嬉しくもなります。
他にもミミズやダンゴムシ、埋めた場所から出てくる覚えのない野菜の芽。コンポストの周りは、いつだっていのちで溢れているように思います。生ごみを土に還す、それだけのアクションだけどそれはまるで多くのいのちを生むベッドを作っているよう。
お庭の限られたスペースで小さくめぐる自然の循環をまざまざと感じる瞬間、とても幸せな気持ちになるのです。
最後に

コンポストを始めて、お庭に出る機会がびっくりするほど増えました。
その周りで起きる小さな生き物の循環、些細なことに気が付けることがとても楽しく幸せな日常です。冬が長い雪国だからこそ、心地いい空気を吸い込みながら今日もせっせとキッチンからコンポストへ通います。
あなたのコンポストの周りはどんな物語が生まれていますか?もしかして小さな循環が芽生えているかもしれません。
この記事を書いたのはNICOでした。最後までお読みいただきありがとうございます。
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