コンポストの種類

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『コンポストを始めてみたい』
そう思って調べてみると、意外や意外、コンポストにも実はかなりいろんなタイプがあります。
どれを使えばいいの?と頭を悩ませてしまうことにもなるほど。

この記事では各コンポストや生ごみ処理の方法として幅広い方法をピックアップ。

ぜひご家庭に、ご自身にあうものを見つけてもらえたら嬉しいです。

目次

直埋め

直埋めコンポスト
穴を掘った場所に生ごみを埋めるところ

初めに紹介するのは直埋め。これはちょっとした庭や花壇があればすぐにできる方法。

庭や花壇の一角に穴を掘り、生ごみを投入していくだけの簡単スタートです。時期や天気によって生ごみの分解スピードが変わるので、同じ場所に埋めずに都度様子を見ながら何ヶ所かの埋める場所を設けるとうまくいくことが多い。

容器の有無なし
庭の必要あり
必要なものスコップ
堆肥化なし。分解していつの間にか無くなる、埋めたところ自体が栄養豊富な土に。

一番簡単に始められるので、何からしたらいいのかわからない、という時はまず匂いの少ないものから埋めてみるのは非常におすすめです。

毎回、同じ場所に埋めるよりは場所を変えながら分解ペースとちょうどいいローテンションで埋めていくとうまくいきやすい。

埋めるものによっては動物の掘り起こしなどの懸念あり。
心配な場合は、■肉魚を埋めない ■深めに埋める ■シートを被せる などの対策をすると良い。

キエーロ

キエーロ
透明の蓋が特徴のキエーロ

キエーロは土と容器(深さ20cm以上が好ましい)さえあれば生ごみを入れ続けることのできるコンポスト。堆肥化せずに分解するため、土が増えず、お庭がなくても始められる手軽さで、オンラインコミュニティでも大人気。

投入場所をローテーションしながら常に乾いた土を被せることで匂いや虫の発生を防ぎながら使うことが可能。

容器の有無あり(無印などのプラ容器、りんご箱、木の容器、メルカリなど)
庭の必要底なしタイプは庭必要、箱タイプは不必要
必要なものスコップ/土/こめの研ぎ汁、糠、竹パウダーなどがあると分解が早まる
堆肥化なし。分解していつの間にか無くなる

購入可能な自治体や、kieroオフィシャルなどもあるため、比較的情報が得られやすい。

ベランダキエーロ

無印良品の『やわらかポリエチレンケース・深』はサイズが約幅25.5×奥行36×高さ32cm。20cm以上の深さを推奨しているキエーロの条件にも◎

別売り透明の蓋と合わせて、ベランダのスペースに合わせていくつか置くという方法がストレスない運用につながるようです。

実際の使用例などはコンポスト部オープンチャットの『初心者ルーム』でも丁寧に解説されているので、気になる方はInstagramよりご参加くださいませ。

キエーロは黒土、腐葉土、庭の土、微生物のいる土であれば種類問わず使えます。土に困っていないのであれば新たな購入は必要ないけれど、買った土の方があらかじめ虫などが潜むリスクはかなり低いと思われます。

混ぜるのにおすすめな竹パウダーも微生物の恰好の棲家でもあります。

入れすぎによる虫の発生や腐敗臭が発生することもあるが、天地返しや天日干しなどによってリカバリーも案外容易。ついついなんでも入れたくなってしまうところですが、上手くいかない時は容器の容量を増やしたり、数を増やしたりなどで対策したいところ

発酵型容器タイプ(好気性)

新潟市段ボールコンポスト
新潟市で購入可能な基材付きダンボールコンポスト

発酵型容器タイプ(好気性)となんだか難しい表記をしてしまったけれど、例を挙げると段ボールコンポストやバッグ型のLFCコンポストがこれに当たるもの。

これも人気で始めやすいもうコンポストの基本、といってもいいような発酵型のタイプです。

容器の有無あり(ダンボール、LFC、ダスクリン)
庭の必要なし、ただし堆肥ができるためプランターや畑や庭など活用場所を要する
必要なもの容器/スコップ/土(基材)/こめの研ぎ汁、糠、竹パウダーなどがあると分解が早まる
堆肥化一定期間生ごみを投入したのち、熟成期間を経て堆肥となる

一定期間生ごみを投入したのちは熟成期間が必要となり、その間生ごみ投入ができなくなる。2つ以上あると生ごみ用/熟成用といった形で滞りなく続けられる。

画像引用:econawa

コンパクトで始めの一歩として手が出やすいのはプラスチックフリーショップのeconawaの『竹製コンポスト』。

生ごみと発酵促進基剤を都度混ぜながら満杯になるまで投入する形。

【コンポストの使い方】
コンポストの底に新聞紙もしくは紙を中に敷き、その後、敷いた紙が見えなくなるくらいの土を入れ、生ゴミも一緒に入れてよくかき混ぜます。 土と生ゴミを追加して混ぜていく作業を約1週間ほど繰り返しコンポストが一杯になったらそこから約1ヶ月ほど放置します。

その1ヶ月のうち2、3週間毎にしっかり下の方から混ぜる作業をしないと下の方に水が溜まってしまい、臭いの原因になってしまう可能性があるのでしっかり混ぜ合わせ発酵をしやすくするのがポイントです!!1ヶ月ほど経つと今まで形として残っていた生ゴミが堆肥化され土と変わらない状態になります。

econawa公式HP

おしゃれなバッグタイプのLFCコンポストはふるさと納税で始めることも可能。ファスナー付きのため虫の侵入などにも強く、オンラインによる手厚いサポートやサブスクで基材が受け取れるサービスなどもあり。

バッグ自体は繰り返し使えるため、基材を交換しながら使う。

コンポスト部メンバーにも非常に利用者が多いコンポストです。

その他、手作りのダンボールや自治体で購入できるものも多い。よく畑などで見かける緑色のコンポスターなども土を使いながら発酵を促すタイプが多かったり。(土中タイプと少し重複する可能性も)

探すと一番色々種類があるように思う発酵型。デザインやサイズでお迎えするのも楽しい選び方。

発酵型容器タイプ(ボカシ)

さて、なんとなく私の中では上級者向けに思えますが、『ボカシ』を使うコンポスト。好気性のコンポストと違うのは酸素を必要としないこと。つまり、スコップで混ぜて空気を含ませる必要のない嫌気性微生物による発酵で生ごみを堆肥化する仕組みというわけです。

文字にするとちょっと難しそうですが、至ってシンプル、生ごみとボカシを重ねながら空気を抜くように堆積させていくだけ。専用のコンポストを使うととても簡単です。

室内で使えて分解が早く、季節の影響を受けないのが大きなメリット。

※ボカシとは:有機質肥料を主な原料とし、それらを微生物により分解、発酵させてつくる肥料のこと。甘酸っぱい独特な匂いがする。

容器の有無あり(オルガンコ、リブウェル)
庭の必要なし、ただし液肥・堆肥の双方ができるためプランターや畑や庭など活用場所を要する
必要なものボカシ(手作りも可能)/容器
堆肥化生ごみを投入し、熟成期間(一次熟成と二次熟成)を経て堆肥となる
ボカシオルガンコ画像

『ボカシオルガンコ』という専用容器を使うことで、ボカシコンポストに必要な機能に特化した最適な発酵が進められる。

液肥の簡単な取り出し口や内蓋など、お値段こそ少しするものの、ある程度の温度が必要な好気性に比べて季節問わず一定量の生ごみを堆肥化できるところが大きい。

必要とするボカシの量も少量のためランニングコストも低め。

これといった商品名はないものの、プラスチック製の安価なものも購入できる。『ボカシコンポスト』で色々と探せます。

冬場の分解促進として他のものとの併用も大いにありかと思う使い方です。

基本的に『ボカシ』と言われる発酵肥料を振り掛けながら使うため、こちらの定期的な購入が必要となります。液肥や堆肥を使う庭があると合わせて活用が楽しめます。

ボカシと言われるとちょっとハードルが上がる気がしますが(私だけ?)ボカシは手作りも可能。余っても畑に撒いたり、キエーロなどの好気性微生物と合わせての使用も問題ないと言われているので、積極的に使ってもいいかも。

なんだか癖になりそうな独特の匂いはぜひ手元のボカシで確認してみてくださいね。

土中式

土中式コンポスト
底なしの木枠に生ごみともみがら燻炭を入れたもの

土中式というのは底がなく、土に埋めるタイプのコンポスト。蓋ありだったり蓋なしだったり、さまざまなスタイルがあって一番定義らしきものはないかもしれないこのタイプ。

生ごみと土をミルフィーユのように重ねていったり、生ごみと雑草や落ち葉だったり、そのやり方もさまざま。上に重ねていくだけなのでスコップで混ぜ返したりする必要はない。ボカシなどをまぶすと、より早く分解が進むようにも思います。

容器の有無あり(木箱、プラスチックなど)
庭の必要あり。入れたものがそのまま堆肥となる。
必要なもの容器/土/燻炭/落ち葉や雑草や籾殻/
堆肥化一定期間生ごみを投入したのち、熟成期間を経て堆肥となる

熟成期間を経ると記載したものの、容器によっては下から取り出すことが可能なものも。分解の進んだ下から順に取り出し使うという方法もできる気がします。

畑用コンポスター
画像引用:サンコー公式HP

よく見るのは大きなタイプのプラ製『コンポスター』。畑を持っている方が使っている場合が多い。

生ごみの他に野菜の葉や茎といった残渣の処分などにも使える大容量のものが売られていることが多く、容量によっては助成金の対象となる自治体もある。

発酵タイプの底なし版のようなハイブリッドに思える。混ぜない場合はカルスやボカシと相性がいいと思われる。

蓋のないタイプは動物性などニオイのしやすいものは注意が必要。土を被せたり、入れるものを厳選した方が動物や鳥の被害に遭いにくい。

土中式コンポスト
DIYも比較的簡単。始めやすさがあります。

容量大きめの容器が多く投入できる生ごみの量も多い。(自作の場合は好きなサイズで!)

家だけでなく畑に置くのもおすすめ。分解されたものはそのまま有機肥料として土に還す循環に心地よさを感じます。

バイオネスト

バイオネスト
画像引用:江戸川区HP

バイオネストとは、まるで鳥の巣のように木の枝を丸く重ねたり集めたりしながら、その中心に落ち葉を入れ、腐葉土を作る仕組み。落ち葉などを焼却せずに、土に還す方法として自治体主体で取り組んでいるところもある。

私自身、コンポスト部オープンチャットで初めて知った方法でした。早速庭にそれらしきものを作ってみて実験中。中に落ち葉の他、生ごみなどを投入していくスタイルなど、各家庭での実験もさまざまみられるようです。

容器の有無なし
庭の必要あり
必要なもの木の枝/落ち葉や雑草
堆肥化一定期間落ち葉(生ごみ)を投入したのち、熟成期間を経て堆肥となる

杭を打ったり少し大掛かりな方法もあるようですが、家庭にあった方法とサイズでそれぞれ試すと面白いのではと思います。

雑草をゴミに出す人は多いのでこんな方法もぜひ実践しつつゴミを減らしたいところ。鳥の巣を思わせる見た目もかわいいのが私はツボです。

ミミズコンポスト

これはもう読んでそのまま、ミミズに生ごみを食べてもらい土に変えていただく方法。至ってシンプル、室内でも、屋外でも(容器による)置くことができるコンポスト。

畑でよく見る太ミミズではなく、もう少し小さなシマミミズがここでいう主役のミミズ様。小さなプラ容器で運用される方もいるようですが、基本的には数段重ねて使える専用容器があると、堆肥の作成を手伝う『堆肥層』と『ミミズ液』(液肥として使える)が流れ込む容器に分けて、快適なコンポストとして使えるようです。

こちらは私も経験なく、でもやってみたいもの。

容器の有無あり(専用容器、プラ容器等)
庭の必要なし、ただし液肥ができるためプランターや畑や庭など活用場所があると尚◎
必要なもの容器/ミミズ/新聞紙
堆肥化ミミズが食べたものから順次肥料として使える

なんともオシャレな容器があるものです。こちら少しお値段が張りますが『家庭用ミミズ生ごみ処理機』として販売されているもの。

中欧チェコのファクトリーブランド「Plastia(プラスティア)」というオシャレな容器、これにまさかミミズが入っているとは誰も思うまい…

底面にミミズ液を取り出す口がついていて機能面としても申し分ない容器。

乳製品や油脂類、また塩分やアルコール、唐辛子やわさびなどの刺激物類、ミミズが好まないものや弱らせてしまうものの投入は避けたいところ。残飯処理などには不向きなので全ての生ごみを処理したい場合は、別のコンポストと併用で使うのが向いている。

また、始めるにはミミズの調達先が必要ですが、ここ最近はInstagramなどで販売されれいるアカウントをちらほら見かけるため、購入するのがお手軽。意外と安価でミミズを大切に扱う限り、ランニングコストはあまりかからないイメージ。

余談ですが先日ついに75匹のミミズちゃんを購入、植木鉢でミミズ始めました、うまくいけば発信できたらいいなと思います。

まとめ

コンポスト画像
キエーロの中であっという間に土に変わる生ごみだった固まり

ちょっと細かくまとめてみましたがいかがでしたでしょうか??おうちに合うコンポストはみつかりましたでしょうか?

オンラインコミュニティ『コンポスト部』では日々、お悩み共有や先輩部員からの回答などさまざまな交流であふれています。ぜひInstagramからチェックしてみてくださいね。

余談:コンポストとは堆肥からの語源、キエーロや土中式などは分解して消えてしまうため、正確にはコンポストとは言わないかもしれませんが、この記事では『生ごみ処理ができる方法』の一つとして全てをコンポストと総称させていただきました。
他の情報との認識に差異があるかもしれませんことを念の為、記します。

最後までお読みいただきありがとうございます。この記事を書いたのは運営のNICOでした。

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